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  • 犯人は誰だ?犯罪者プロファイリング、そしてテキストマイニングの応用犯人を誰だか言い当てられるか?空想テレビや映画で、主人公が謎を解いて、犯人をピタリと言い当ててしまうことがあります。犯罪者プロファイリングもそんな方法だと思っていますか?現実残念ながら、犯罪者プロファイリングは、ピタリと当てるものではなく、データを科学的に分析して、犯人の特徴や行動を「推定」していくものです。どのように「推定」していくのか?科学的にデータを分析するためには、集めた事件の内容をデータにして、それに見合った分析方法を用いて、犯人についてできそうな推定をします。データ	犯行場所、犯行のやり方、被害者などの事件内容からデータを作ります。分析方法	作ったデータを心理学の方法などで分析して評価します。推定内容	評価結果から、犯人の特徴、住んでいる地域、将来の犯行などを推定します。実際にあった例で説明します約1年間にある都市で次の窃盗事件が7件起きました2)。被害にあったのは、すべてアパートで一人暮らしの女性。ほとんどの事件で、女性の下着や現金などが盗まれた。ほとんどの事件で、犯人は脅迫文を残して立ち去った。脅迫文には、被害者の家の包丁などが突き刺さっていた。ほとんどの事件は、女性が朝家を出てから夜帰るまでの間に起きた。捜査員は、事件の犯人は一人で窃盗の逮捕歴のある人物と考えましたが、さらに、犯人の逮捕につながる手がかりを推定してほしいと思い、プロファイリングを依頼しました。残された脅迫文から推定できることは何か?事件脅迫文の内容1警察に連絡した場合はお前と仲間を殺す!そのほうが楽しいけどな!写真はもらっていくぞ。2警察に通報したら次は殺す覚悟しておけ3今回はこれで許してやる警察に通報すれば次はこんなものでは済まされないぞ!窓くらい閉めたほうがいいぞ4警察に通報すれば次は殺す5脅迫文はなかった6警察に通報すれば次は殺す7午後9時に電話するあんたを殺すために来たんだが気が変わった話で聞いていたよりも美人だったから警察に通報しても良いがその場合は任務を遂行する交渉する気があるなら電話を待て脅迫文から科学的にデータを作る脅迫文の語句(含み)を抜き書きしますデータを作ります当てはまる語句があれば「1」を、なければ「0」をつけていきます。データを科学的に分析して評価する統計解析を用いると、一連事件で共通する語句は、右図の中心部に、個々の事件番号近くには、その事件の特徴を示す語句が配置でき、脅迫文の全体を見渡して理解しやすくしてくれます。犯人の主な目的は、警察へ通報させないことですが、最近の事件では被害女性に会いたいと望んでいるようです。分析結果の要点を伝えるのが大切です脅迫文の分析結果から、犯人の「犯行目的」を推定できました。(犯人を早く逮捕できる材料になります)今後の事件では、犯人は被害女性に会おうとすると推定できるので、それは逮捕の絶好の機会になり、その女性が再び被害にあうのを防げます。今一番捜査員に伝えたいことその後事件はどうなったのか?•捜査員たちはすぐに動きました!女性のアパートを見張っていると、一人の男が現れました。男は女性の玄関前で怪しげな行動をしたので、捜査員が男に近づき、その理由を尋ねると、男は犯人であることを認めて捕まりました。•新たな事件が起きました!8件目の事件で女性の部屋に残された脅迫文には、女性に会おうとする内容が書かれていました。推定を間違うことはないのか?推定を間違うことはあります脅迫文の事件では、犯行地域の広さから計算して描いた右の半径1㎞の円内に犯人が住んでいると推定しましたが、実際には円の外に住んでいました。推定の間違いを防ぐ方法がありますこうした推定の間違いを防ぐには、似たような事件で逮捕された数多くの犯人のデータを集めて、その推定方法がどのような場合に当てはまるのかを調べることです。これは基準率という判断材料になります。最近では、書き手の性別などを推定する「著者プロファイリング」の研究も逆にいえば、文章の特徴を分析することで、性別などの特徴が分かるとされています。たとえば、女性のブログには、小さい文字「っ」「ゃ」、読点「、」が多いなどの特徴があることが分かっています。犯人の特徴の推定もできるの?以上のような犯行目的や犯人特徴を推定をする際のツール文章を、より客観的・科学的に分析文章内の特徴を自動的に数値化数値化されたデータを統計分析テキストマイニングの応用さらには、だれの文章か分かる?最近ではインターネットを使った犯罪も増加こんな犯罪でも、犯人分かるの?「文は人なり」人となりが文章に表れる↓文章の癖や特徴から、書き手を考えるAさん:こんにちは、犯人は、私です。Bさん:こんにちは、犯人が私です。Cさん:こんにちわ、犯人は私です。犯人:こんにちわ、犯人は私です。さらに、特徴を組み合わせれば、Cさんの文も、読点が少なく、誤字が多く、漢字が多い。犯人の文は、Cさんが書いたのでは!犯人の文は、読点が少なく、誤字が多く、漢字が多い。数千の特徴を使えば、書き手を特定することも可能【犯罪者プロファイリング】科学的に「犯人の特徴や行動を推定」する方法です心理学などの方法で分析し、その分析結果は実際の捜査で活用されています【テキストマイニング】文章の特徴を統計解析し、科学的に分析する技術です。最近では、文章の書き手の特徴(性別や年齢層など)を推定する「著者プロファイリング」も研究され、インターネット犯罪への活用も期待されています引用文献警察庁(2014).平成26年版警察白書 ぎょうせい岩見広一(2018).わが国の凶悪犯罪に対する犯罪者プロファイリングの総合的研究 多賀出版お薦め図書村上征勝(2020). この本を書いたのは誰だ?ー文献に関する分析や事件の分析を紹介した文庫本です。財津亘・金明哲(2019).犯罪捜査のためのテキストマイニングー文章の指紋を探り、サイバー犯罪に挑む計量的文体分析の手法ーテキストマイニングの基本から実際の事件への応用まで紹介した本です。
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    • みんなはどうして『うそ』をつくの?:嘘の社会的な機能
    • 嘘つきは目をそらす?:嘘にまつわる神話
    • 虚記憶
    • 自分がやらねば誰もやらない?(傍観者効果)
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参考スライド:捜査心理学とは

資料名:20200826_profiling.pdf(3MB)

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