• 誰かの真似をする-カメレオン効果-
  • [こんな経験はありませんか?]パーティーの席や普段誰かと会話しているとき、ふと自分が相手の姿勢や身振り手振りを真似していることに気付いたことはありませんか?気が付けば相手と同じ脚の組み方をしていたり相手が頭をかいたら自分もかいていたり     などなど
  • [誰かの真似をする]私たちは生活の中で誰かの真似をすることがあります。例えば、高級レストランに初めていった時、恥をかかないように意識的に周りの人を真似をしたりしますね。しかし、このような特別な場合でなくても真似は行われています。
  • [誰かの真似をする]真似をしてるつもりはない?それもそのはず。私たちは無意識に誰かの真似をしているのです!
  • [無意識に真似をする]この無意識の真似は、その場にいる人の姿勢やしぐさ、表情、さらには動きの速さなどいろいろな面に及んでいます。この無意識の真似を「カメレオン効果」と言います。カメレオン効果は人と人を結びつけて社会にうまく適応するためと考えられているよ
  • [真似することの大切さ]この「カメレオン効果」は仲の良い相手や、社会的共通点が多い相手ほど頻繁にみられます。長年連れ添った夫婦同士は似てくる、という話はよく聞きますよね。相手の仕草を真似することで、会話や商談が普段より上手くいった、という話もあります。
  • [こんなことまで真似ている]例えば、友人と食事に行ったときのことを想像してください。友人は何を頼み、あなたは何を頼みますか?同じものを頼むかもしれませんし、別のものを頼むかもしれませんね。ここで注目して欲しいのは、友人とあなたの食事量です。
  • [こんなことまで真似ている]お腹の空き具合に関わらず、相手がどのくらい食べるか によって、自分の食べる量もつられて変化するという研究があります。(Cruwy, 2014) 友人とあなたの食事量は似ていましたか?
  • [真似をされる側はどうなる?]何となく真似するのはわかったけれど真似される側はどうなるの?
  • 実は真似をされる方にも強い影響があるのです!
  • [真似をされると好きになる!?]密かに真似する→何となく親近感を感じる
  • 真似をされると無意識に共通点が多いと感じる。そして、共通点が多い相手へは親近感がわき、好感が高まる。
  • [本当に好きになる?]ある実験では・・・被験者は、実験者に、10個の広告について意見をそれぞれ30秒ほどで述べるように頼まれます。このとき、実験者は被験者の姿勢をひそかに真似して前かがみになったり、腕を組んだりしました。
  • [本当に好きになる?]被験者が全ての広告について意見を述べたあと、実験者は一度、次の実験の準備をするために隣の部屋に行き、戻ってきます。そして、被験者のそばを通るとき、偶然を装ってペンをバラバラと落としてしまいます。このとき、被験者が散らばったペンを拾うかどうかで、
実験者に対する好感度を測定しました。
  • [真似されることの効果!]散らばったペンを真似をされなかった被験者のうち33%の人しか拾わなかったのに対して、ひそかに真似をされた被験者では、なんと100%の人が拾ったのです。☆つまり、自分を真似した相手への好感が高まり、援助行動に出たと考えられます。(van Baaren, Holalnd, Kawakami & van Knippenberg, 2004, Exp.1)
  • [では、真似をした人以外の人に対する好感はどうなるのでしょうか?]別の実験では・・・先ほどの実験と同じ課題を行い、被験者に実験のお礼として2ユーロ渡した後、大学主催の慈善活動についてのアンケートに回答してもらって、この活動に賛同してくれくるなら、先ほどの2ユーロの中から、いくらか募金箱に入れることができる、と伝えました。そして、被験者だけを残し、実験者は部屋を出ました。
  • [真似されることの効果!]真似をされなかった被験者のうち43%の人が寄付したのに対して、ひそかに真似をされた被験者は76%の人がお金を寄付しました。☆寄付を求めているのは、実験者とは別の団体なので、真似をした本人以外にも友好的になっているといえます。(van Baaren, Holalnd, Kawakami & van Knippenberg, 2004, Exp.3)
  • [まとめ]このように私たちは誰かの真似をし、誰かに真似され生活しています。けれどそれは決して悪いことではなく、むしろ人付き合いをより円滑にしてくれることが多いのです。もし、誰か仲良くなりたい人がいる場合さりげなくその人の仕草を真似てみるといいかもしれませんね。
  • [参考文献]・Cruwys, T., Bevelander, K.E., Hermans, R.C.J. (2014).  Social modeling of eating. A review of when and why social influence affects food intake and choice. Appetite. DOI: 10.1016/j.appet.2014.08.035 ・Van Baaren, R.B., Holland, R.W., Kawakami, K. ,van Knippenberg, A.(2004). Mimicry and pro-social behavior.  Psychological Science,15,71-74.
  • [お薦め図書]・J.A.バージ 古川奈々子(訳) (2014) 意思決定の心理学 日経サイエンス2014年5月, pp.30-37 ・L.D.ローゼンブラム 齋藤慎子(訳) (2011) 最新脳科学でわかった五感の驚異 講談社 (第9章「究極のごますり」に模倣についての解説があります)
  • [製作者]田中吉史・伊丸岡俊秀・渡邊伸行・鶴谷奈津子(金沢工業大学情報フロンティア学部心理情報学科) [協力者]宮坂 彰(金沢工業大学情報フロンティア学部心理情報学科サイコロジェクト)