心理学ミュージアム

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  • 人はみんな「嘘つき」?日常に見られる「嘘」の実態「あなたは嘘をつきますか?」もしも急にこんなふうに聞かれたら,思わず「いいえ」と答えてしまうのではないでしょうか。それはなぜでしょうか?そもそも,「嘘」とは何か「嘘」について,1つに決まった定義はありません。ですが,心理学の研究では,次のようなものを「嘘(欺瞞)」の定義とすることが多いです1)。これは「嘘」?「嘘ではない」?こちらにうさぎが走ってきませんでしたか?これは「嘘」?「嘘ではない」?かえるは,うさぎが来たことを知っているのに,わざとそれを隠しています。つまり,これは嘘です。さるは,本当ではないことを言っていますが,わざとではないので,これは嘘ではありません。 「嘘」の種類はいろいろあります「本当のこと」とのズレの大きさによって,「嘘」はいくつかの種類に分けられます。「嘘」の種類はいろいろあります誰のために「嘘」をつくのか(「嘘」をつく目的)によって分けることもできます。人はどれくらい嘘つきか?実際に記録をしてもらって調べた研究があります2)。人はどれくらい嘘つきか?米国の大学生と一般市民に参加してもらいました。「他人と10分以上やりとりをした」場合に,そのことをメモしてもらいました。人はどれくらい嘘つきか?やりとりの中で嘘をついた場合には,嘘の内容と,嘘をついた理由も書いてもらいました。なお,この研究では「嘘」をとしていました。こうした「日記」を,1週間つけてもらいました。人はどれくらい嘘つきか?結果はこんなふうになりました。平均すると,人は1日に1〜2回ほど嘘をついていました。日本人大学生を対象とした研究でも,同じような結果になりました3)。人はどれくらい嘘つきか?この結果からは,一部の人が1日に何回も嘘をついているだけで,他の多くの人はほとんど嘘をついていないという可能性も考えられます4)。そこで,1日でなく1週間単位で見てみると,ほぼ全員が,1週間に1回以上,嘘をついていました。まとめ•	嘘とは,嘘をつく人自身は「本当ではない」と思っていることを,他者には「本当だ」と信じさせようと意図してする行為のことです。•	自分のためだけに嘘をつくのではなく,相手のために嘘をつくこともあるため,全ての嘘が悪いわけではありません。•	人はふだん,それなりに嘘をついているようです。補足•	言葉を使わない嘘(たとえば,宿題をしていないのに「宿題やった?」と聞かれ,うなずいて見せるなど)は,厳密には「欺瞞」と呼ぶことが多いです。•	ですが,本作品では,話をわかりやすくするために「嘘」という用語だけを使いました。•	ちなみに,作品製作者らが運営する研究会の名前は「欺瞞的コミュニケーション研究会」です。「嘘」だけでなく「欺瞞」全般に関心を持っています。引用文献•	Zuckerman, M., DePaulo, B. M., & Rosenthal, R. (1981). Verbal and non-verbal communication of deception. In L. Berkowitz (Ed.), Advances in Experimental Social Psychology, vol14, pp1-57. New York, Academic Press. •	Depaulo, B. M., Kashy, D. A., Kirkendol, S. E., Wyer, M. M., & Epstein, J. A. (1996). Lying in Everyday Life. Journal of Personality and Social Psychology, 70, 979–995.•	村井潤一郎 (2000). 青年の日常生活における欺瞞 性格心理学研究, 9, 56-57. •	Serota, K. B., Levine, T. R., & Boster, F. J. (2010). The prevalence of lying in America: Three studies of self-reported lies. Human Communication Research, 36, 2–25.お薦め図書•	村井潤一郎(編著) (2013). 嘘の心理学 ナカニシヤ出版–日常の身近な嘘に関する話を中心に,心理学の観点から見た嘘の実態や研究が紹介されています。•	アルダート・ヴレイ(太幡直也・佐藤拓・菊地史倫(監訳)) (2018).  嘘と欺瞞の心理学 福村出版–対人関係や犯罪捜査など,さまざまな場面の嘘や欺瞞について詳しく書かれています。•	岡本真一郎(2016). 悪意の心理学 中央公論新社–第6章で,嘘について扱われています(悪意のない嘘にも触れられています)。
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