心理学ミュージアム

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  • "物事の判断は何に左右されている? 心理的距離と解釈レベル 物事の判断 だれしも日々の生活で下している「物事の判断」 些細なことから重大なものまでさまざま!! たとえば 2種類の新しいスマホ、どちらを買おうかな 大学のこの授業、受けてみようかな、やめとこうかな この会社に就職しようか、それとも進学しようか など こうした判断は何に左右される? さまざまな判断に影響を与える原因の1つに 心理的距離 があります 心理的距離って何? ものさしなどで測定される客観的・物理的な距離ではなくあくまで「主観的な距離感」のこと 普段あまり意識していませんが物事との心理的距離も実は私たちの判断に影響を与えている! 心理的距離には4つの種類が存在する 時間的距離 今から1週間後vs.今から1年後 1週間後のことは心理的距離が近く感じられる 1年後のことは心理的距離が遠く感じられる 来年のことを考えると心理的距離は遠くなる 来週のこととの心理的距離は近い 今 1週間後 1年後 空間的距離 今いる場所 vs. 遠く離れた場所 ここから1kmでの出来事は心理的距離が近く感じられる ここから50㎞での出来事は心理的距離が遠く感じられる 社会的距離 自分についてvs.自分以外の他者について 自分に関する出来事は心理的距離が近く感じられる 他者に関する出来事は心理的距離が遠く感じられる 仮想的距離 実際、実物の出来事vs.仮定、想定の出来事 実際の出来事は心理的距離が近く感じられる 仮定の出来事は心理的距離が遠く感じられる 心理的距離 私たちは心理的距離の近さ/遠さの違いによって、同じ出来事も違った点から解釈します1)2)3)4) 心理的距離が 遠い 出来事に対しては 抽象的に解釈し、本質的な点、望ましさを重視する 心理的距離が 近い 出来事に対しては 具体的に解釈し、副次的な点、実用性を重視する この違いを、 解釈レベル の違いといい、高レベル解釈と低レベル解釈として次のようにまとめることができます 解釈レベル 高レベル解釈の特徴 心理的距離が遠い場合 抽象的な解釈 望ましさ重視 本質的 長期的な観点 なぜか(目的)を考える 低レベル解釈の特徴 心理的距離が近い場合 具体的な解釈 実用性重視 副次的 短期的な観点 どのように(手段)を考える たとえば4月から1人暮らしを始める女子大生の部屋探し 10月時点では 4月までの心理的距離は遠い きれい、オシャレ、眺めのよさ など 望ましさ を重視=高レベル解釈 2月時点では 4月までの心理的距離は近い 家賃、引っ越しに必要な予算 など 具体的、実用性 を重視=低レベル解釈 たとえばスマホを買い替えるとき 3ヶ月後に買う購入までの心理的距離は遠い 新機能の充実、サービスやアプリの多さや見た目を考えて決める 望ましさ を重視=高レベル解釈 来週に買う 購入までの心理的距離は近い 使いやすさ、入手可能性を重視して決める 実用性 を重視=低レベル解釈 たとえば行楽地に向かっているとき 行楽地まで20㎞地点 心理的距離は遠い 面白そうなアトラクションに乗る!有名グルメ店で食事♪ 抽象的、本質 を重視=高レベル解釈 行楽地まで1㎞地点 心理的距離は近い 混んでない●●(具体名)に乗る!1番近い所で食事♪ 副次的、実用性 を重視=低レベル解釈 心理的距離と解釈レベルに関する実験5) 実験の参加者:アメリカ人大学生 男女ペアの大学生が会話しているビデオを視聴 ビデオは2種類 A:イタリア(他国)の大学で会話するビデオ【心理的距離は遠い】 B:アメリカ(自国)の大学で会話するビデオ【心理的距離は近い】 半数がAのビデオを、 半数がBのビデオを視聴 会話している場所以外は、すべて同じ状況設定 視聴後に、ビデオの内容を記述してもらう その結果、抽象的な記述が多かったのは A:イタリアでの会話をみた参加者>B:アメリカでの会話 心理的距離と解釈レベル この実験から、 「今ここ」にいる自分との 心理的距離が遠いほど、解釈レベルは高まり出来事を抽象的に解釈するといえます 今ここ 近 低レベル解釈 遠 高レベル解釈 ほかにもこんな例を考えてみよう! 受験 受験を2年後に控えた受験生【心理的距離は遠い】 受験が来月に迫った受験生 【心理的距離は近い】この違いが受験校の決定に違う影響を与える!興味ある分野が学べる大学を受験! 結婚 1年後に結婚を控えた花嫁 【心理的距離は遠い】来月挙式予定の花嫁  【心理的距離は近い】 この違いで、結婚生活に対する解釈が違う! 甘い結婚生活 生活の具体的な準備・段取り 物事の判断は何に左右される? 私たちの日々の物事の判断はさまざまな原因によって下されます 物事と「今ここ 」にいる自分との心理的距離の近さ/遠さ もその1つなのです 自分が今いる状況から心理的距離が遠い場合は高レベル解釈により本質や望ましさを重視した判断を、近い場合は低レベル解釈により副次的で実用性に基づく判断をする まとめ 物事の判断を左右するものの1つ 心理的距離 心理的距離と解釈レベル 心理的距離が遠いと高レベル解釈 心理的距離が近いと低レベル解釈 解釈レベル 高レベル解釈:本質的、望ましさ重視 低レベル解釈:副次的、実用性重視 引用文献 1) Trope, Y., & Liberman, N. (2003). Temporal construal. Psychological Review, 110, 403-421.  2) Trope, Y., & Liberman, N. (2010). Construal-level theory of psychological distance. Psychological Review, 117, 440-463.  3)  Liberman, N., & Trope, Y. (1998). The role of feasibility and desirability considerations in near and distant future decisions: A test of temporal construal theory. Journal of Personality and Social Psychology, 75, 5-18.  4)  Nussbaum, S., Liberman, N., & Trope, Y. (2006). Predicting the near and distant future. Journal of Experimental Psychology: General, 135, 152-161.  5)  Fujita, K., Henderson, M. D., Eng, J., Trope, Y., & Liberman, N. (2006). Spatial distance and mental construal of social events. Psychological Science, 17, 278-282.  お薦め図書 浦 光博・北村英哉(編)(2010) 展望 現代の社会心理学1 個人のなかの社会 誠信書房 北村英哉・内田由紀子(編)(2016) 社会心理学概論 ナカニシヤ出版 いずれも、社会的推論において生じるバイアスについて解釈レベルを用いた考え方が紹介されています 製作者 寺田未来(大阪電気通信大学)"
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