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  •   " おじいちゃん , お ばあちゃん は , 「 幸せ 」 ? 高齢 期 の 心理 的 適応 と 発達 想像 し て み て ください みなさん は , どんな おじいちゃん , お ばあちゃん に なり たい です か ? 元気 に 趣味 活動 ! ボランティア で 社会 貢献 ! 孫 と のんびり 元気 で 幸せ な 高齢 者 , 憧れ ます ね では , 実際 は どう な の でしょ う ? みなさん の , 「 お 年寄り 」 の イメージ を 教え て ください 。 元気 で おしゃべり 物知り で は , 実際 は どう な の でしょ う ? みなさん の , 「 お 年寄り 」 の イメージ を 教え て ください 。 元気 で おしゃべり 物知り 体 が 思う よう に 動か ない 物忘れ 頑固 で 怒り っぽい 良い イメージ ばかり で は ない かも しれ ませ ん 様々 な 「 喪失 」 を 経験 する 高齢 者 高齢 期 に は , 体 の 機能 が 低下 し たり , 大切 な 人 を 亡くし て しまっ たり ・ ・ ・ 様々 な 「 喪失 」 を 体験 し ます 。 体 が 動き にくく なる 新しい こと が 覚え にくく なる 大切 な 人 と の お 別れ で は , 高齢 者 は 「 不幸 」 な の でしょ う か ? 歳 は とり たく ない なぁ ・ ・ ・ 心理 学 の さまざま な 研究 高齢 者 は , 体 の 機能 は 下がっ て も , 心 は 「 幸せ 」 だ と する 心理 学 の 研究 が あり ます 。 主観 的 幸福 感 ( 「 どの ぐらい 自分 は 幸せ だ と 思う か 」 ) は , 加 齢 に 伴っ て 低下 し ない 。 高齢 に なる ほど , 男性 で は 否定 的 な 感情 が 減少 し , 女性 で は 肯定 的 な 感情 が 増加 する 。 超 高齢 期 ( 8 5 歳 くらい 以上 ) は 身体 機能 の 低下 が 著しい が , 主観 的 幸福 感 は 維持 さ れる 。 どうして 「 幸せ 」 で い られる の でしょ う ? まだまだ 謎 は 多い です が , こんな 説 が あり ます 歳 を とる に従って , 心理 的 に 適応 する 加 齢 効果 これ は , 「 人 は 歳 を とる に従って , その 状況 や 環境 に 合う よう に , 行動 や 考え方 を 変え て いく ため , 心 の 『 幸せ 』 が 保た れる 」 という 考え方 です 。 例えば ・ ・ ・ 「 人生 の 時間 に 限り が ある 」 と 認識 し た とき , 人 は 「 喜び 」 や 「 安心 」 といった ポジティブ な 感情 を 高める 行動 を 選択 する よう に なる , と 言わ れ て い ます 。 これ を , 「 社会 情動 的 選択 性 理論 」 と いい ます 。 これ だけ しか 残っ て ない … まだ こんなに 残っ てる 。 同じ もの を 見 て も 注目 する ところ が 違っ て き たり ・ ・ ・ 「 人生 の 時間 に 限り が ある 」 と 認識 し た とき , 人 は 「 喜び 」 や 「 安心 」 といった ポジティブ な 感情 を 高める 行動 を 選択 する よう に なる , と 言わ れ て い ます 。 これ を , 「 社会 情動 的 選択 性 理論 」 と いい ます 。 ネガティブ な 写真 を 思い出す 。 ポジティブ な 写真 を 思い出す 。 ポジティブ な もの を 想起 する よう に なっ たり する , と 言わ れ て い ます 。 写真 を 見 て 思い出す 記憶 テスト そう は 言っ て も ・ ・ ・ 高齢 に なる と みんな 自然 に 「 幸せ 」 に なる わけ で は ない の で は ? という 疑問 も , もちろん あり ます 。 高齢 期 の 「 幸せ 」 に は , 個人 の 性格 や 人間 関係 など , 様々 な 要因 が 関係 し て いる と 言わ れ て い ます 。 で は , どんな 高齢 者 が 「 幸せ 」 な の でしょ う か ? いろいろ な 研究 が たくさん あり ます が , 例えば ・ ・ ・ 中 高齢 期 に なる と , 人 は 「 次 の 世代 を 育て て , 自分 の 知識 や 技術 を 譲り渡し て いき たい 」 という 心 が 発達 する と 言わ れ て い ます 。 これ を , 「 世代 性 ( Generativity ) の 発達 」 と いい ます 。 「 世代 性 」 が 発達 し て いる 人 の 方 が , より 「 幸せ 」 で ある と 感じ て いる , と 言わ れ て い ます 。 例えば ・ ・ ・ これ は ずっと わし 一 人 の もの だ ! 死ん で しまっ たら もう おしまい だ ・ ・ ・ 知識 技術 ・ ・ ・ という 人 は 生き て き た 証 を 次 の 世代 に 継承 し ない と , いつ まで も 自分 の 死 を 受け入れ られ ず , 譲っ て いこ う 教え て おこ う たとえ 死ん で も 生き た 証 は 残っ て いく 知識 技術 ・ ・ ・ という 人 は 生き て き た 証 を 次 の 世代 に 継承 し ない と , いつ まで も 自分 の 死 を 受け入れ られ ず , 次 の 世代 に 譲っ て いく 行動 を とる こと で 「 人生 の 終わり 」 を 受け入れ られる , と 言わ れ て い ます 。 この よう に , 次 の 世代 へ 譲り渡し て いく 心 と 行動 が , 「 幸せ 」 の 鍵 の 一つ , と 言わ れ て い ます 。 譲っ て いこ う 教え て おこ う たとえ 死ん で も 生き た 証 は 残っ て いく 知識 技術 ・ ・ ・ という 人 は さて 、 では もう一度 。 みなさん は , どんな おじいちゃん , お ばあちゃん に なり たい です か ? 「 歳 を とる 」 という こと を , ちょっと 考え て みる の も たま に は いい かも しれ ませ ん 。 まとめ . 高齢 期 に は 体 の 機能 が 低下 し て も , 主観 的 な 幸福 感 は 維持 さ れる , と さ れ て いる 。 . その 背景 の 一つ に , 加 齢 に 伴い 心理 的 適応 過程 が 促進 さ れる , という 「 加 齢 効果 」 が ある 。 . 高齢 期 の 主観 的 な 幸福 感 に 関係 する 要因 の 一つ に , 「 世代 性 」 の 発達 が ある 。 参考 文献 . Carstensen , L . L . ( 2006 ). The influence of a sense of time on human development . Science , 312 ( 5782 ), 1913 - 1915 .. Diener , E ., & Suh , M . K . ( 1997 ). Subjective well - being and age : An international analysis . Annual Review of Gerontology and Geriatrics , 17 , 238 - 265 .. 権藤 恭之 ・ 古名 丈人 ・ 小林 江 里香 ・ 岩佐 一 ・ 稲垣 宏樹 ・ 増井 幸恵 ・ 杉浦 美穂 ・ 藺牟田 洋美 ・ 本間 昭 ・ 鈴木 隆雄 ( 2005 ). 超 高齢 期 における 身体 的 機能 の 低下 と 心理 的 適応 ― 板橋 区 超 高齢 者 訪問 悉皆 調査 の 結果 から ― 老年 社会 科学 , 27 , 327 - 338 .. McAdams , D . P ., & Aubin , E . S . ( 1992 ). A theory of generativity and its assessment through self - report , mehavioralacts , and narrative themes in autobiography . Journal of Personality and Social Psychology , 62 ( 6 ), 1003 - 1015 . お薦め 図書 . 権藤 恭之 ( 編集 )( 2008 ). 高齢 者 心理 学 ( 朝倉 心理 学 講座 15 ). 東京 : 朝倉書店 製作 者 田渕 恵 関西学院大学 大学院 文学 研究 科 "
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  • オススメ展示

    • 人はみんな『嘘つき』?:日常に見られる「嘘」の実態
    • ないはずの形が見える?(主観的輪郭)
    • 学習心理学との出会い
    • 体を温めると心も温まる(身体化認知)
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資料名:20141003_advancedage.pdf(1.7MB)

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