特集企画 「他者とかかわる心の発達」
子ども時代は、私たちの誰もが通ってきた道です。
なのに、そのころのことをすっかり忘れて、日々、子どもの様々なことばや行動に「すごい!」「なぜこんな風に考えるのだろう?」などと驚かされます。
この特集では、子どもの「他者とかかわる心」の発達に焦点を当てて、私たちが様々な年齢の子どものふるまいについて持つ「なぜ?」を解き明かしていきます。
子どもは、他者とかかわりながら、様々なことを学んでいきます。「他者とかかわる心」は、もっとも人間らしい側面と言えるでしょう。子どもたちは、ことばを話す前から他者とコミュニケーションをとり、次第に目に見えない他者の心の存在に気づき、そして他者に対して嘘をつけるようになり、他者の個性を理解していきます。社会性が豊かに育っていくのです。
この特集を通して、子どもが次第に社会性をはぐくんでいく様子を、一緒に探求していきましょう!
特集企画展担当 清水由紀(埼玉大学)
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なぜ赤ちゃんは指さしするのか?
1歳になったばかりの赤ちゃんが、「あ!」と犬のぬいぐるみを指さしました。また、大人が落とした物を指して「ん!」と言います。まだしゃべることができないこの赤ちゃんは、指さしで一体何を伝えようとしているのでしょう?
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「心の理論」の発達
3歳のなっちゃんが、窓からきれいな朝焼けを見て、隣のお姉さんに言いました。「おねえちゃんの分も、なっちゃんが見ておいてあげる!」。おねえちゃんの代わりに、朝焼けを見ることができるというのです!この女の子の心の中ではどんなことが起きているのでしょう?
<特集全体の参考図書>
「他者とかかわる心の発達心理学-子どもの社会性はどのように育つか」
清水 由紀・林 創 編著 金子書房 2012年
<製作者>
岸本 健(聖心女子大学)、瀬野 由衣(愛知県立大学)、林 創(神戸大学)、清水 由紀(埼玉大学)