心理学ミュージアム

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  • 光はいつも上からやってくる上方光源の仮定まずはこの図形を見てください中心がへこんだ図形ですね。これを上下さかさまになるよう180度回転してみます。逆さにすると…今度は中心が出っ張った図形になりました!左は凹,右は凸同じ図形なのに,向きを変えると凹凸が逆転して見えますね。これはクレーター錯視と呼ばれる現象です。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?これには,陰影と光が深く関連しています。陰影のつき方が重要そもそも,図のような陰影がつく状況は二通りのケースがありえます。ひとつは,凹面が上から照らされるケース,ひとつは,凹面が上から照らされるケース,もう一つは凸面が下から照らされるケースです。しかし光源はふつうは上にあります。そのことをもとに私たちは意識することなく凹面ととらえてしまいます。逆さの図形では逆に,凹面が下から照らされる見方と,凸面が上から照らされる見方が可能ですが,無意識的に上から照らされる凸面だととらえてしまいます。上からの光を前提とする上方光源の仮定1)2)という無意識的な処理が加わることによって,同じ図形が異なる凹凸で見えるのです。これを工夫すればこんな写真も小さな突起がたくさん見えますか?この画像はキッチンペーパーの表面で,突起に見える部分は実は,すべてへこんでいます。画像を逆さにすると実際の形(=へこみ)がわかるでしょうか。画像を逆さにすると実際の形(=へこみ)がわかるでしょうか。凹凸のあるペーパーに上から光を当てて撮影し,その画像を逆さにすることでクレーター錯視画像を作成しました。クレーター錯視画像作成のコツへこんで見える(=実際の通り)でっぱりに見える(=クレーター錯視)光の方向が下から上方向になるよう画像を回転させることで,実際の凹凸と異なる知覚を生み出せる場合があります。まとめ私たちは,「光は上から来る」という仮定を無意識的に利用しています。物体の形がわからないときなどは,この仮定をもとにして凹や凸を知覚しようとします。引用文献1)Ramachandran, V. S. (1988). Perceiving shape from shading. Scientific American, 259(2), 76-83.2)Sun, J., & Perona, P. (1998). Where is the sun?. Nature neuroscience, 1(3), 183-184.1)北岡明佳 (2013). クレーター錯視 Retrieved from http://www.psy.ritsumei.ac.jp~akitaoka/craterillusion.html2)北岡明佳 (2013). クレーター錯視2 Retrieved from http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/craterillusion2.html 1)2)ともに,クレーター錯視について多くの例と解説が載っています。小林勇輝大阪大学 / 日本学術振興会
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資料名:20190424_from_above.pdf(1.2MB)

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