• [ストレスとうまくつきあう]自分だけのコーピング事典をつくろう!
  • [はじめに]①「仕事がストレスで胃が痛い」②「友達とケンカをして仲直りができずストレス(嫌な気分)が溜まっている」普段わたしたちはこのようにストレスを表現しますが,心理学ではきっかけを「ストレッサー」,身体やこころの反応を「ストレス反応」と分けて考えます。上の例を当てはめるとこのようになります。①ストレッサー:仕事 ストレス反応:胃の痛み②ストレッサー:友達とケンカしたこと ストレス反応:嫌な気分ストレッサー(きっかけ)ストレス反応(身体やこころの反応)
  • [ストレッサーは直接ストレス反応には結びつかない]• そして,ストレス反応の強さは,ストレッサーについて考える「認知的評価」や,ストレッサーに対処する「コーピング」を行うことで変わってくると考えます。ストレッサーストレッサーについて考える対処するストレス反応
  • [心理学でのストレスの考え方]• ここまでの話をまとめると下の図のようになります。• 次のページから,それぞれについて詳しくみていきましょう!ストレッサー認知的評価コーピングストレス反応
  • [ストレッサー(きっかけ)]• ストレッサーは「きっかけ」のことで,ストレス反応を生じさせるもとです。• どんなことでもストレッサーになりえます。例えば...• でも…ストレッサーが必ずストレス反応につながるわけではありません。友達との喧嘩 宿題・仕事 暑い・寒い 結婚幸せなこともストレッサーになり得るなどなど
  • [認知的評価(ストレッサーについて考える)]• 認知的評価は,①ストレッサーがどれだけ脅威的か?②ストレッサーに自分はどれだけうまく対処できそうか?を考えるプロセスです。• ①と②の評価をすることによってストレスが強まったり,弱まったりします。• ②で「うまく対処できそうだ」と思えたら,それだけでも少し楽になりますよね。
  • [コーピング(対処する)]• ストレッサーが自分にとって問題となるとき,私たちはいろいろなコーピング(対処)を行います。• そして,コーピングを行うことによってストレス反応を抑えることができます。いい対処ができたぞ!ストレッサー回避したり 向き合ったりストレッサー ストレッサー相談したり
  • [ストレス反応]• ストレッサー 認知的評価 コーピング のプロセスを経て,最終的な結果として生じるのが ストレス反応 です。• 健康的な生活を送るために,コーピングをうまく行うことでストレス反応を抑えましょう。身体の反応 疲労,緊張,血圧上昇,免疫力低下 など心の反応 イライラ,抑うつ,不安 など
  • [コーピングの分類はいろいろ]• では,どのようなコーピングがあるのでしょうか?心理学研究では,コーピングを様々な観点から分類しています。<問題焦点型・情動焦点型>問題解決に取り組む・気分を変えるために何かをする<ポジティブ・シンキングとネガティブ・シンキング>肯定的に考える・否定的に考える<接近型・回避型>ストレッサーに近づく・ストレッサーから遠ざかる<ソーシャル・サポート(社会的支援)>友人や家族に相談したり,福祉支援,カウンセリングを活用するなどなど
  • [「万能なコーピング」はない]• 心理学の研究では,平均的にどのようなコーピングが健康につながりやすいのかがたくさん調べられてきました。しかし,重要なのはあなたが実際に行ったときの効果です。• 状況によっては効果のあるコーピングも変わるため,いろいろなコーピングのレパートリーをもつことが大切です。友達に相談しようポジティブに捉えすぎた!悪い結果も予想してみよう…問題に向き合おう!気晴らしに遊ぼう。…いっそ逃げるか?一人でじっくり考えてみようもっとポジティブに考えてみよう。何とかなるさ。
  • [自分だけの「コーピング事典」をつくる]• 一度うまくいった経験のあるコーピングであっても,ストレッサーや状況が違えばうまくいかないこともあります。そんなときは,他のコーピングを試すことが必要です。様々な状況に対処するために,自分だけのコーピング事典を充実させましょう!• コーピングを行ったら,「どんな状況でどんな結果になったのか」をよく観察して,自分だけのコーピング事典 を編集していきましょう。
  • [どうやってコーピングを選べばいいの?]ちょっと立ち止まって,あなたのコーピング事典を参考に,今の状況について考えてみましょう。その問題は,今すぐに取り組む必要があるか?ちょっと寝かせておいても大丈夫か?今自分にできるコーピングにはどんなものがあるか?今までこんな状況でどうやったらうまくいったっけ?反対に,どうやったらうまくいかなかったんだっけ?自分でなんとかなりそうか?誰かの助けを借りた方がよさそうか?
  • [ところで]• ただし,強いストレスは心や体の不調に繋がってしまいます。そんなときはコーピングをうまく活用しましょう。• ストレスは常に「悪いもの」ではありません。• ストレス研究で有名なハンス・セリエは,「ストレスは人生のスパイスである」と言っています。ある程度のストレスは私たちに刺激を与え,普段の生活に「ハリ」をもたらすということですね。
  • [まとめ]• ストレスを,ストレッサー 認知的評価 コーピング ストレス反応に分けて理解してみよう。• コーピングが有効かどうかは,自分が行ってみた結果からしか判断できない。• いろいろなコーピングのレパートリーをもつことが大切。• コーピングを状況に合わせて活用するために,自分だけのコーピング事典をつくる。ストレスとうまくつきあって,素敵な生活を送りましょう!
  • [参考文献]• 島津明人 (2002). 心理学的ストレスモデルの概要とその構成要因 小杉正太郎(編)ストレス心理学 個人差のプロセスとコーピング川島書店• 島津明人 (2006). コーピングと健康 海保博之(監)小杉正太郎(編) 朝倉心理学講座19 ストレスと健康の心理学 朝倉書店
  • [お薦め図書]• 貝谷久宣・福井至 (2012). 図解 やさしくわかる認知行動療法 ナツメ社• 杉 晴夫 (2008). ストレスとはなんだろうー―医学を革新した「ストレス学説」はいかにして誕生したか(ブルーバックス) 講談社
  • [製作者]早稲田大学 人間科学学術院宮崎 球一2014年3月25日