• ほめることと叱ることの幽霊効果 なぜ未熟な指導者は体罰に頼るのか?
  • 最近、スポーツ界や教育現場での暴力や体罰を用いた指導が後を絶たず、社会問題となっています。なぜ、指導しようとするときに体罰が使われがちなのでしょうか?この問題について、心理学的観点から、考えてみましょう。
  • 他者を指導するときに、(1) ほめることと、(2) 叱ることでは、どちらを効果的に感じるでしょうか?まずは、実験してみましょう。
  • あなたが先生役をしてください。生徒が与えられた課題に次々に答え、その成績が“パフォーマンス・レベル”(0%~100%)として画面に表示されます。(1) パフォーマンス・レベルが70%以上のときは、“GOOD !”とほめて、クリックしてください。(2) パフォーマンス・レベルが30%以下のときは、“BAD !”と叱って、クリックしてください。(3) その他のときには何も言わず、クリックしてください。
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • ・70点以上⇒ほめて、クリック ・30点以下⇒叱って、クリック ・中くらいの成績⇒何もせず、クリック
  • 実験終了
  • ほめるときと叱るときでは、どちらが成績が上がるように感じられましたか?(1)ほめると成績が上がるように感じた。(2)叱ると成績が上がるように感じた。(3)どちらも成績が上がるように感じた。
  • ほとんどの方が (2) を選ぶはずです。ほめると成績が下がり、叱ると成績が上がる。そんな印象を持ちませんでしたか?
  • 同じことを繰り返すとき、私たちのパフォーマンスには、好・不調の波があります。常に最高の成績を出し続ける、あるいは常に最悪の結果となり続けることは、あまり起こりません。極端に良い(あるいは極端に悪い)成績の後は、平凡な成績になるものです。これを、「回帰現象」といいます。
  • 回帰現象の例: 浅田真央選手の場合 シーズン序盤は3位・2位と調子が上向いていましたが、次の大会では5位と平凡な成績に終わりました。しかし、すぐに復調し、1位となり、オリンピックでの金メダルが期待されましたが、惜しくも2位となりました。
  • 先ほどの実験での回帰現象 回帰現象によって、ほめると成績が下がり、叱ると成績が上がる印象の錯覚が生じることが判ります。
  • ほめることと叱ることの幽霊効果 良い成績(ほめる)⇒成績が下がる印象……ほめる指導法には効果はない(という錯覚) 悪い成績(叱る)⇒成績が上がる印象……叱る指導法には効果がある(という錯覚) 指導法に効果があってもなくても、成績は上がったり下がったりするのですが、このような錯覚を人は感じやすく、これを「回帰の誤謬」といいます。
  • 幽霊の正体見たり枯れ尾花 未熟な指導者ほど体罰などの叱る指導法に頼りがちですが、その原因のひとつが、この「叱ると成績が上がるという錯覚」にあると考えられます。それでは、ほめることと叱ることの本当の効果とは何でしょうか?それは、1回ごとの成績ではなく、長期的に観察を続けることで見えてきます。
  • 長期的には、成績はこのように変化すると考えられます。
  • ほめることと叱ることの本当の姿 ほめること…ほめられ続けた人は、達成感を感じ、自信を持ち、やる気が増えるので、チャレンジし続け、やがて成績が向上していくでしょう。 叱ること…叱られ続けた人は、挫折感を感じ、自信を失い、やる気を失うので、課題から逃げるようになり、やがて成績が低下していくでしょう。
  • まとめ 極端に良い(あるいは極端に悪い)成績の後は、平凡な成績になりやすい。これを回帰現象という。回帰現象によって、ほめると成績が下がり、叱ると成績が上がるという錯覚が生じる。(回帰の誤謬)長期的にみれば、ほめられ続けると自信・やる気が生じるので、成績が向上する。反対に、叱られ続けると自信・やる気がなくなり、課題から逃げるようになる恐れがある。
  • 参考文献 回帰現象については、T.ギロビッチ(著) 守一雄・守秀子(訳) (1993). 人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか 新曜社 ほめること(賞)と叱ること(罰)の効果については、P.G. ジンバルドー(著) 古畑和孝・平井久(監訳) (1983). 現代心理学Ⅰ サイエンス社 中の「人間の行動の制御」に詳しい
  • お薦め図書 菊池聡・谷口高士・宮元博章(編著) (1995). 不思議現象 なぜ信じるのか こころの科学入門 北大路書房菊池聡 (1998). 予言の心理学 世紀末を科学する KKベストセラーズ
  • 製作者 竹ノ山 圭二郎(富山福祉短期大学)